FLAMENCO GUITAR
起源と歴史
フラメンコは、もともと歌(カンテ)として生まれ、その後にギターや**舞踊(バイレ)**が加わって発展しました。
ヒターノ(ロマ=ジプシー)の人々が中心となりながらも、ユダヤやアラブ、スペイン古来の音楽の影響が融合し、独自の芸術として育まれてきました。
15世紀、ロマ族がスペインに到達した時期はアラブ人の支配が終わり、ユダヤ人が追放されつつあった時代と重なります。彼らは互いに不安定な立場を共有し、やがてフラメンコの原型が形成されていきました。
18世紀末には「ジプシーの芸能」から「フラメンコ」と呼ばれるように変化していきます。
歌(カンテ)の力
フラメンコの根源は歌。家族や仲間の集まりで、悲しみや喜びを心から表現するために歌われてきました。
真のカンタオール(歌い手)は、心の奥底から感情を伝える力を持っています。
ギターとダンスの発展
19世紀後半、カディスやセビージャ、へレスの劇場やショーレストランでフラメンコが披露されるようになり、歌に合わせてギターと舞踊が加わりました。
ダンスは進化を重ね、グラン・アントニオやカルメン・アマジャといった名ダンサーの登場を経て、今日のスタイルへ。
踵を打ち鳴らすステップ、手拍子やカホン、掛け声「オレー!」で盛り上げる独特の世界観が魅力です。
カスタネットや扇子、杖といった小道具を使うこともあります。
現代のフラメンコ
フラメンコは伝統を守りながらも常に進化を続けてきました。
1960年代には、歌手カマロン・デ・ラ・イスラとギタリストのパコ・デ・ルシアが革新をもたらし、世界へ広がる芸術へと高めました。
現在では、伝統的なプーロ(純粋)スタイルと、クラシックやタンゴなどを取り入れたモデルノ(現代風)スタイルが存在し、さらに多様に発展しています。
2010年にはユネスコ世界無形文化遺産に登録され、11月16日は「世界フラメンコデー」とされています。
